2007年06月15日

米国長期金利急騰について

2007/6/15

ドルの長期金利急上昇を受けてドル/円は122円台に乗りました.

10年物国債利回りはついに5%乗せ.あっという間にFFレートと
ほぼ同じ水準に達しました.

この点では,例えば昨年12月のこの記事
 http://eeef.seesaa.net/article/29974341.html
のように,いくら住宅市場に問題があったとしても,
米国利下げ予想は誤りだと考えていた通りの展開です.

ただし最近の急激な金利高は,マーケットが一斉にしびれを切ら
て仕切り直しに走った分だけ急すぎるという印象があります.

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2007年04月02日

キャリートレードの「亡霊」

2007/4/1


 前回も指摘した通り,円相場は神経質な動きの中でレンジ固めを続けています。ざっと振り返ると,2月の中国株急落をきっかけにそれまで積み上がったキャリートレードのポジションの一部が解消され,ドル/円は115円台前半まで下落しました。その後は118円台と115円台に上下を抑えられたレンジ相場で1カ月が過ぎました.

 よく見ると下値が徐々に切り上がっています.根強い円安傾向がまだ残っていて,30日(金)のニューヨーク市場でも118.40に迫りました.決算期末明けの今月から日本人投資家の外貨資産購入が再び活発化し,円安に向かいやすくなるとの見方があります.

 しかし30日には米商務省が中国製品に対する相殺関税の発動を決定したとの報道もあって1円以上も下落し,上値の重さを確認した形になっています.またバーナンキFRB議長が「まだら模様」と表現した米国景気への不透明感も強く,ドルが上昇しても120円にはなかなか手が届かない展開は変わりません.

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2007年02月28日

誰がキャリーを解消するのか

2007/2/28


「中国発世界同時株安」に為替マーケットが揺れました.

 あちこちでヘッジファンドが活躍したことになっています.「中国株式市場の規制導入でヘッジファンドが中国株を売った」「ヘッジファンドが円キャリートレードの解消に走った」...

 株はともかく,ヘッジファンドの為替ポジションについてはシカゴIMMの『非商業部門』が目安になりますが,今回の動きについては来週にならないとわかりません.ただし,キャリーポジションを持っていたのはヘッジファンドだけではありません.

 今,一番心配なのが日本の個人投資家です.特に「スワップ狙い」のFX.彼らこそ,日本の一大キャリートレード勢力です.昨年のFX人口急増には,「金利差分は取れる」という安心感(とそれをことさらに強調する勧誘)が大きく影響していました.
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2007年02月21日

日銀,利上げ決行

2007/2/21


 政府だけでなく,民間エコノミストの間にも不思議と慎重論が強かった利上げを,日銀は今日行ないました.会議中にNHKが「福井総裁,利上げを提案」と報じたのを受けてしばらく119円台に入りましたが,正式発表後は反転し,120円台後半まで円が売られています.福井総裁が会見で「円安がどれも不規則なわけではない」「ヘッジファンドのもぐらたたきをしてはいない」など,今後の利上げに慎重,かつ円安容認ともとれる発言をしたことに,市場が反応しているのでしょう.

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2007年02月15日

バーナンキ&GDP

2007/2/15


昨日のバーナンキ証言の内容に対する為替市場の反応は,予想よりもタカ派色が薄かった,つまり金利の先高観が後退したという理由で,ドル売りとなりました.ユーロ/ドルは重かった1.30ドル台を越えて今日は1.31ドル台前半です.

ただし証言内容は,米国景気がFRBの予想通り巡航速度で成長していることも裏付けています.マーケットが懸念していた住宅市場の不安も後退していて,一概にドル売り材料とだけは言えません(米国株にとってはいわば「両手に花」でした).

一方,日本のGDPは予想外の高い成長でした.このポジティブサプライズに,ドル/円は何度か119円台に入り,下押しの勢いはまだないものの120円を挟む水準で次の動きをうかがっています.

日銀が今月の金融政策決定会合で利上げをする可能性が高まった,ということが話題になりがちですが,それだけなら大した円高要因ではありません(これは何度も言ってきた通りです.金利差に注目している相場で,0.25%の利上げ,まして次がいつになるかわからないのでは,影響は知れています).

今日のGDPは,1つ前の7−9月期が落ち込んでいた反動という点を差し引いても,国内消費が改善していることを示しました.「企業活動が消費に波及してこない」と利上げをためらわせてきた足かせが外れつつあります.政府は足元の指標がまだ弱いと牽制しますが,日銀としては,景気が概ねシナリオ通り堅調になってくれば,各月の波にはこだわらない方針です.つまり,このタイミングで利上げをしなければ,いよいよポリシーの有無が問われてしまうため,今月の会合では利上げに踏み切る可能性が大きくなりました.

今月日銀が利上げをするとすれば,その為替相場に与える意味は金利差ではなく,日本経済と日銀への自信の方が大きいでしょう.それはこれまでの円安トレンドが区切りを迎え,現状程度の水準を上限とする新たなレンジ相場のスタートになると思われます.
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2007年01月21日

日銀への信認低下を映した円安

2007/1/21


 19日の円、ドル、ユーロの間の為替レート(NY引け値)を前週末と比較すると、ドル/円(121.20)は88銭の円安、ユーロ/ドル(1.2961)は38ポイント(0.0038)のユーロ高です。これでユーロ/円(157.13)が1円61銭も円安。対円レートが「掛け算」(『その通貨の対ドルレート×ドル/円レート』)なので、クロスは儲かる時も大きいけれど、損をする時も一気に持っていかれますね。

 日銀の「利上げ見送り」はたしかに円売りにつながりましたが、以前から指摘しているように、対ドルで5%の金利差が4.75%になること自体は大した影響がありません。今回も「金利差が縮小しなかったから円安になった」という見方は取りません。簡単に121円台に乗せた理由は「日銀に対する失望売り」であったのでしょう。

 我々の耳には届きませんでしたが「天変地異でもない限り1月は利上げする」という福井総裁の言葉が言外に感じ取れるくらい、当初はその意図が明らかだったのに、 政府筋の流した報道をきっかけに一気に腰が引けてしまいました。12月会合の時にも同じ印象を持っただけに、マーケットは週初の時点で「またか」という反応を示していました。

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2006年10月29日

キャリー・トレードに乗り続けて良いか

2006/10/29

第3四半期の米GDP速報値は前期比年率1.6%のプラスでした。 予想を上回る減速ぶりに、このところ上昇続きだった米国株もさすがに下落。118円台で何とか持ちこたえていたドルも、とうとう117円台に下落しました。

ドル売り局面ではユーロよりも円の上昇が目立ち、その結果ユーロ/円は149円台に下落しました。ユーロは、25日にドイツのIfo経済研究所が発表した10月の企業景況感指数が予想を上回る改善(105.03)を示し、1.25ドル台での底打ちを確認した形になっていました。円にはとりたてて好材料がないのにユーロよりも買われたのは、恐らく対ドルでのショートポジションが大きかったことの表れでしょう。

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2006年09月10日

日米「思い込みシナリオ」の危うさ

2006/9/10

 2日間行われた日銀の金融政策決定会合の後の福井総裁の会見は、やや期待外れでした。消費者物価指数の基準変更によって表向きの数字が下ぶれし、旧基準では+0.6%であるものが新基準では+0.2%となりましが、これが「安定してプラス」を前提とする金融政策の『正常化』方針に対してどのような意味を持つのか興味がありました。

 総裁は「前年比プラス基調を続けていく」という見通しと、「金利水準の調整はゆっくり進めていく姿勢にいささかの変化もない」という方針を示し、私の関心に対しては、「新基準でもプラスは続くので細かいことはいいじゃないか」と答えた形です。

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2006年04月30日

ワシントンG7後の円高局面,3つの要因

2006.4.30

 4月21日に閉幕したワシントンでのG7を境に,新聞にはがぜん「円高」の2文字が目立つようになりました.ドル/円は115円台に入ると売りが加速し,週末は一時113円台前半まで下落しました.またユーロは対ドルでほぼ1年ぶりの高値水準まで上昇しています.

 年末から年始に指摘したように,昨年の為替市場を支配した「金利一辺倒のマーケット」からの変化が起こり始めた可能性があります.それはG7で各国が世界不均衡の問題を共同声明で強調したことにより,市場の共通認識となってきました.

ドル下落3つの要因

 今回のドル安局面をリードしたのは主に次の3つの要因です.
 第1に、上に挙げたG7共同声明が,同時に中国を「一段の為替柔軟性が必要」と名指ししたこともあって,「不均衡是正=ドル・元を中心とする為替調整」という形で為替相場に政治的な力が働くという印象を与えたことです.

 2番目は,このG7と同じ週末にスウェーデンが,過去1ヶ月の間に外貨準備に占めるドルの比率を下げてユーロにシフトさせたという発表をしたことです.同国は約210億ドルの外貨準備のうち,ユーロとドルがそれぞれ37%ずつでした.今回の変更により,ユーロが50%,ドルは20%となりました(なお、円は8%でしたが今回の変更により保有ゼロになりました).

 第3に,FRBのバーナンキ議長が27日の議会証言で,これまで連続して実施してきた利上げの「小休止」を示唆したことです.ドル以外のいわゆる高金利通貨(オーストラリアドル,ニュージーランドドルなど)の利上げサイクルも終わりに近づき,市場全体が高金利通貨に弱気,一方これから金利が上昇しそうな低金利通貨に強気に傾きつつあったタイミングだったため,この証言に市場はドル売りで反応しました.

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2006年03月19日

ドルのリスク要因

2006年3月16日,「イラク戦争後最大規模」とされる米軍のイラク反政府
勢力掃討作戦を受け,ドルが下落しました.ドルにとって最大のリスクは,
米国への資金の流れが細ることですが,その意味でこの事件は重大な意味
を持っています.

2002年から2004年まで丸3年続いたドルの下落局面は、2001年9月の
同時多発テロによって米国に対する世界の目が大きく変わったことによる
ものだと思います。

かつて市場では「有事のドル買い」と言われました。何か異変があっても、
米国に資産を置いておけば安心だと誰もが考えていたのです。それは米国に
深刻な異変が起こらないということを前提としていました.そのため、911
は世界の資金フローにとってそれ自体がまさに大異変でした。

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2006年02月19日

バーナンキFRB議長証言(2/15-16)

バーナンキ新FRB議長は就任後初めてとなる2006年2月の議会証言で,次の
ような方針及び現状認識を明らかにしました.
 (1) 最近のFOMCの政策決定とグリーンスパン前議長の路線を継承する.
 (2) 景気は底堅さを維持している.
 (3) コア・インフレ率とインフレ期待は抑制されている.
 (4) 原油価格の高止まりや設備稼働率の上昇による物価上昇リスクがある.

今回の証言内容は3月の利上げを確実にすることにより,当面の金利動向に不
透明感を残さないという意味で市場に一応の安心感を与えたようです.こうし
てバーナンキ議長とドルが一つの関門をクリアし,市場は小康状態です.3月
の期末に向けて日本の投資家が動きにくくなり,ユーロは相変わらず影が薄い
ままユーロ/ドルで1.18ドル台のチャートポイントで持ちこたえるという,やや
不気味な静寂です.

短期的な波乱要因として,先頃『ニューヨーク・タイムズ』が暴露したブッシュ
政権の盗聴プロジェクト疑惑の動向あたりに注目した方がいいかもしれません.
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2005年11月25日

市場の「コンセンサス」とブルームバーグ

為替市場の「コンセンサス」という言葉をよく聞きます.これを具体的に表すのが
為替ディーラーや機関投資家,貿易関係者などが見ている情報端末上のページです.
中でも現在はBloomberg(ブルームバーグ)社が伝える,経済指標の「市場予想の
平均」の影響力が強くなっています.これは同社が欧米中心に,有力な証券会社や
経済研究所30〜40社にヒアリングした結果ですが.実際に発表された数字がそれ
より強いか弱いかが、市場の最初の反応に反映されることが多いのです.

以前は為替というとロイター通信社が圧倒的な影響力を持っていました.今でも銀
行の為替ディーラーは秒単位の勝負なので,ロイターの強みであるニュースの速報
性は重要です.一方ブルームバーグは証券に関する価格情報と分析ツールの使い勝
手が他を圧しています.今や銀行にとって最も重要な為替顧客である機関投資家は
必ずブルームバーグを持っています.それくらいのステータスがあります.

市場に影響力を持つ投資家がブルームバーグの「コンセンサス」に注目しているの
で,銀行も無視できず,ブルームバーグは為替市場でも重要な存在になりました.

この,市場のコンセンサスと実際の発表が乖離していると,相場は動きます.発表
前の相場は「コンセンサス」を織り込んだ水準にあるためです.こうした影響は,
短期的なものであると考えられていましたば,最近は統計学や使いやすい統計ツー
ルの普及で,指標の予想と実際との乖離を、ある程度長い期間の為替のトレンドと
関連付ける分析もずいぶん行なわれるようになっています.
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2005年11月20日

生保マネー

為替市場に影響を持つと言われる日本の機関投資家の一つに生保があります.
財務省が毎月発表する証券投資の統計を見ると,生保の投資動向がわかりますが,
生保が外債をたくさん売買しているからといって,そのまま円相場に影響を与えて
いるわけではありません.

例えば米国債に投資する場合,そのためのドル買いと,為替リスク回避のためのド
ル売り,つまりヘッジ付きで外債投資をすれば,円相場の動きに参加していません.

もちろん,まずドルの買い切りで外債に投資し,その後為替相場の動向を見てヘッ
ジすることが多い大手生保もいます.生保の中でも,為替に対するスタンスが違う
のです.

したがって,「生保が外債投資を凍結」などといいう新聞記事を見た時は,普通は
ドル売り円買いという反応が市場に見られます.しかしヘッジ付きで投資している
生保ならば,外債に投資しなくなるのは純粋に海外の長期金利低下がそろそろ終わ
り、債券のキャピタルロスが発生することを懸念しているだけのことが多いのです.
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2005年11月17日

原油価格の影響

原油価格が上昇すればインフレ懸念が高まる,というのがいわば常識的な市場の
反応です.しかし昨年秋からの原油急騰局面では,債券市場も株式市場も「原油
価格の上昇は景気の腰を折るために金利低下要因」という反応が目立っていまし
た.これは決して通常の市場の反応ではありません.景気に対してよほど悲観的
な見方が支配していない限り,「原油価格上昇→インフレ懸念」となります.

米国のFRBはこうした見方から金融引き締めを続けています.その結果,セオ
リー通り「原油高→金利上昇」という反応が見られるのは主に米国金利であり,
日欧はそれほどでもありません.このために米国と日欧の金利差が(特に短期金
利で)広がり,米国への投資を魅力的にしています.

日本では金融の量的緩和の出口論が現実味を帯びてきたとは言え,米国ほどの
スピードは望むべくもありません.欧州でも,欧州中銀(ECB)のインフレ懸念
発言に対し,各国財務相が警戒姿勢を強め,金利上昇ムードはなかなか盛り上が
りません.

1バレル=70ドルからはやや遠ざかりましたが,原油価格の高止まりに起因する
金利差が,ドル高相場を演出しています.
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2005年11月16日

循環要因と構造要因

為替に限らず,相場を動かすファンダメンタルズ要因を「循環要因」と「構造要
因」に分けることがあります.

循環要因は基本的に景気に着目する視点によるもので,景気にはサイクルがあり,
ある国の景気が(波の大小はありますが)そのサイクルのどの局面にあり、その
勢いはどうかということです.景気が過熱したら調整があり,冷え込みすぎたら
自律回復する,といったことがそれにあたります.

一方、構造要因は景気循環以外の(もちろん全てではありません)要因です.為
替市場で代表的な構造要因の例ととされるのが米国の経常赤字です.これは国内
の過剰消費体質が原因で,特にサイクルがあるわけではありません.一方日本の
経常黒字は高い国内貯蓄率を背景としています.貯蓄率の高さはは多分に国民性
によるものですが,最近低下が目立ち,将来の成長に与える影響が懸念されるよ
うになってきました.このように構造要因も変化していくものですが,それには
貯蓄率を下げている日本の高齢化のように,かなり重大かつ長期間逆行性のない
動きが必要なことが多いのです.
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2005年11月15日

双子の赤字ー為替相場の妖怪

2004年後半のドル安傾向を支配したのが,米国の「双子の赤字」への懸念でし
た.財政赤字と経常赤字.しかしこれが市場参加者にとって手に負えないやっ
かい者です.

「双子の赤字」,特に経常赤字の改善はドル安なしには実現しないという,市
場の信念に近いものが,ドル安の原動力となっていました.米国の経常赤字と
いうのは構造要因であるため,一朝一夕で改善するものではありません.まし
て米国経済の過剰消費体質を見るにつけ,「双子の赤字」は一度気になり始め
るとしばらく相場のテーマであり続けます.

そうなると,仮に米国経済が日欧を上回るスピードで成長していることを示す
指標が続いても,「それは為替相場にとって重要ではない。問題は経常赤字だ」
という市場関係者のコメントが新聞紙面に踊ります.相場はたしかにそういう
ものです.しかし誰もがそこから逃げ出すタイミングやきっかけを常に探して
いることも一方では真実で,同じように存在していても,ある日突然誰もそれ
を言わなくなるのです.
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2005年11月11日

市場介入

米国債の購入者の中で,海外政府・中央銀行は非常に大きな割合を占めています.
もちろん日本が巨大な買い手であることは有名です.そしてその原資を作った円
売り介入に伴うドル買い額が頂点に達したのが2003年です.

介入金額は99年の7.5兆円,2002年の4兆円から,2003年には21兆円以上に急
増しました.デフレ脱却による景気回復に残された唯一の手段として,日本は法
律で定められた介入枠を拡大してまで市場で円を売り,ドルを買い続ける構えで
した.2003年の経常黒字が15.8兆円に達した日本にとって,円買い圧力を緩和
するには介入で吸収するしかありませんでした.

介入の余裕枠を拡大したことに加え,2003年の介入の大きな特色は、日本が単
独介入で一応成功を収めたということです.一般に,単独・長期の介入は効果
を持ち得ないと言われていますが,結果的に何とかドル/円の100円割れを防ぎ
ました.

非常に苦しい状況での介入にも関わらず,先進国の金融当局首脳が集まるG7
のような会合で,欧米諸国が日本の介入を表立って否定しなかったことが,何
とか命綱になったということでしょう.
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2005年11月07日

米国大統領選挙

米国の4年に一度のお祭りとも言える大統領選挙は,為替市場にとってもビッグ
イベント.それも長丁場の選挙戦ということで,何度も相場の流れを変える要因
になります.

為替相場に影響しやすいのは通商政策です.「通商法やWTOを最大限に活用し
たルールの遵守」とった主張は,中国や日本を名指しした為替操作の阻止という
問題につながりやすいからです.したがってこういう点を全面に出す候補が有利
だと円高,という反応を為替ディーラーは準備します.

この他に毎回大きなポイントとなりやすいのはやはり「雇用」です.これは景気
対策だけの論点でなく,「国内の雇用が不当な為替政策で奪われている」という
ことになると,為替に直接結びついてきます.
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2005年11月02日

米国をめぐる証券投資動向を見るには

別の項で紹介したとおり,日本の対内対外証券投資統計に相当するものが米国に
もあります.これは(米国財務省のHPにも掲載されています( Grand Total の
リンクに統計があります).

この統計は,株式を含む長期(満期が1年超)の対内外証券投資の動きを月次で
発表するものです.ただし日本と違って発表は2ヵ月遅れで,速報性はありませ
ん.実際の動きと発表時点との間にタイムラグがあるわけですが,為替ディーラ
ーはそんなことは気にしません.市場が動かなければ収益機会がないので,過去
の数字であろうと大きな影響力を持つのです.
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2005年10月29日

シカゴIMM通貨先物

為替で投機的なポジションという場合に手がかりとなるのは,シカゴマーカンタ
イル取引所 にある国際金融先物市場(IMM)の通貨先物の動向です.これは米国
商品先物取引委員会(CFTC)
がホームページ でも毎週公表しており,円やユー
ロを始めとする通貨の取引状況を知ることができます.
(リンクをご覧になった方へ:上から11番目の表が円、12番目がユーロです.)

この中で「非商業部門(NON-COMMERCIAL)」と分類されている取引が,ヘッ
ジファン ドなど投機筋の動きを反映するものと言われています.この資料は毎週
金曜日にそ の週の火曜日現在の計数が発表され.速報性の点でも優れています.
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