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2007年08月11日

「リスク許容度」「リスク回避傾向」について

2007/8/11

ずいぶん間が空いてしまいました.
更新頻度を上げられる状況にはありませんので,ぼつぼつ書いて
行くことにします.

為替に限らず金融市場全体の話題が「サブプライム」一色です.
サブプライムローン問題という「信用リスク」の問題が,株式だけ
でなく為替市場も激動させています.為替市場で円キャリートレー
ドが花盛りになってから,
「リスク許容度が増したために円キャリートレードを進めた」
「リスク回避傾向が高まったためキャリートレードを縮小」
といったフレーズを記事などで頻繁に見るようになりましたが,この
「リスク許容度の高まり」というのは具体的にどういうことで,どこ
に表れるかを一度確認しておきましょう.

まず,リスクとは「不確実性」,つまり「変動可能性の度合い」と
いうことが出発点になります.値上がりも値下がりもリスクです.

リスク許容度が高まるというのは,価格の変動を受け入れられるよう
になること,つまり,今の市場リスクは「受け入れ可能な程度に低い」
という意味です.
「米国の投資家が国内の株で儲かったので日本株にも資金を振り向け
る余裕ができた」というのとは少し違います(実際にはこの意味で
「リスク許容度」に言及されることもありますが).

要するに「リスク許容度」は「市場リスクの大きさ」の裏返しで,
 市場のリスクが低い→そのリスクはは取れる=「リスク許容度が高い」
 市場のリスクが高い→そのリスクは取れない=「リスク許容度が低い」
ということになります.

そこでキャリートレードに戻りますが,これは本来「金利差」を取りに
行くものです.この戦略で例えば日米短期金利差が4.5%の時にドル買
いをするのは,為替が4.5%以上円高にならないと予想するからです.
もちろん方向感への確信度もありますが,為替が上下いずれにも鈍い
動きになる(為替リスクが小さい)だろうというのが基本的な考えです.

2005年の後半からドル/円の変動幅が非常に小さくなり,それがキャリー
トレードを誘発してきました.ドル/円の変動率を表すオプション取引の
ボラティリティは,歴史的には年率10%近くが普通ですが,この期間は
低迷し,低い時には6〜7%となっていました.

サブプライム問題に対する認識が高まるにつれ為替のボラティリティも
上昇し,ドル/円では10%を超えて来ました.同時に株式・債券等の市場
のボラティリティも急上昇しています.米国株ではS&P500指数を対象と
するVIX指数(最近では「恐怖指数」としても知られています),債券
市場では米国債についてのMOVE指数がその代表的なものです.先ほどの
「リスク許容度=リスクの大きさの裏返し」
を思い出せば,投資家のリスク許容度はこうしたボラティリティ指数が
示していることがおわかりいただけると思います.

なお,ドル/円のボラティリティは歴史的には低い時でも年率6〜7%です.
上の例の金利差4.5%でもリスクに見合わないように見えますが,変動率
(=リスクの大きさ)は円の中心から両側に向かう直径の長さのような
概念なので,下方リスクだけ見ればその半分と考え,キャリー(金利差)
を取りに行く動きが活発化してもおかしくないことになります.
posted by Globe at 23:36 | 為替相場応用編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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